行徳発 賃貸オーナー通信 VOL.5  民法改正と不動産業界

国土交通省は23日、「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」(座長:中川雅之日本大学経済学部教授)の中間とりまとめを公表。同検討会は宅建業法に規定される重要事項説明における書面交付でのITの活用方策について、46月に3回の会合を通じて検討してきた。


中間とりまとめでは、重要事項説明へのIT活用については「消費者・事業者双方が相対のために要する時間コストや金銭コスト縮減」「録画・保存によるトラブルの防止」「ペーパーレス化」などがメリットとして期待できるとした。


検討すべき内容については論点を「取引当事者同意の確保」「消費者理解の確保」「取引主任者の本人確認」「消費者の本人確認」などに整理。消費者が置かれているIT環境に差があることや消費者のITリテラシーにも差があることなどから、IT活用の可否については事業者・消費者双方が選択できるような手法を検討する必要があるなどとした。


また、IT・対面にかかわらず、重要事項説明を消費者がきちんと理解できるような取り組みも必要だと指摘。消費者のニーズ・特性に応じた十分な理解が確保できる方法を検討するべきだと示した。


これらの論点整理を行なった上で、今後の検討の方向性として、まずはリスクが売買契約などに比べて少ないと言われる賃貸契約や法人間取引でのIT活用について、具体的な制度設計まで含めて検討を深めることとした。賃貸契約については、「遠隔地に限定する」「距離にかかわらずすべての賃貸契約」と意見が割れている。


なお国交省では、23日から822日まで意見募集を実施。集まった意見を踏まえ、年末には最終的なとりまとめを示す方針で、随時実証実験なども行なっていく。